2015年9月30日水曜日

【レビュー】Planar T* 1.4/50 ZF.2 & Makro-planar T* 2/50 ZF.2

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愛用している50mmの標準レンズ2本をレビューしてみました。

皆さん50mmの単焦点レンズは持ってますか?写真をはじめた頃に50mmという焦点距離が扱いにくいと感じていた私も、今では広角レンズのように見せたり、望遠レンズのように見せたり、写真の表現の幅をもたせられるレンズとして活用出来るようになりました。

そんな感じに私を育ててくれた標準レンズ2本をレビューしたいと思います。
といっても同じメーカーのレンズでキャラクターが違うレンズをレビューするのですが、まずは最初に買った、Planar T* 1.4/50 ZF.2のスペックを御覧ください。

メーカーサイト Planar T* 1.4/50 ZF.2

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なぜ同じ焦点距離のレンズを2本持ってるかわからない?それはMakro-planar T* 2/50 ZF.2がハーフマクロに対応しているからですよ!

メーカーサイト Makro-planar T* 2/50 ZF.2


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一般的にPlanar T* 1.4/50 ZF.2 はソフトフォーカスで、Makro-planar T* 2/50 ZF.2は高コントラストでキレがあると言われています。実際に自分でもそういう認識でしたが、せっかく2本とも持っているのだから比較してみてわかる事もあるのではないかという期待もあります。


まずは動画による外観レビューからどうぞ!


動画はめんどくさいという方は写真で外観チェックしてみてください。

Planar T* 1.4/50 ZF.2
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Makro-planar T* 2/50 ZF.2
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COSINA製のツアイスレンズは非常に作りも良くて、レンズの質感やフォーカスリングの滑らかさなどは秀逸です。ただ動画で触れていますが、レンズキャップの作りがイマイチなのは残念です。


さて、ここからはみなさんお待ちかねの写真の写りの違いを検証したいと思います。

ボディはNikon D800で被写体は彼岸花。三脚に立てた状態で撮影しています。用水路の反射が玉ボケの評価に最適だと思います。露出に差があったり、ピントに若干のズレがあったりしますがご容赦ください。個人的には主に玉ボケの美しさの評価に目が行きます、その他の部分は見る方によって色々感じる部分は違うと思いますが、何かしらの参考になれば幸いです。評価はf値を変えて撮影していき、違いを見ていく形です。

まずは開放値の小さいPlanar T* 1.4/50 ZF.2 から見ていきましょう。

planar T* 1.4/50 ZF.2 f1.4
planar T* 1.4/50 ZF.2 f1.4

planar T* 1.4/50 ZF.2 f1.8
planar T* 1.4/50 ZF.2 f1.8

f1.4でもf1.8でも玉ボケの感じはあまり変わらないですね。中心部での玉ボケは円形ですが端に行くほど口径食が目立つ感じです。ピント面のソフトフォーカスっぷりが凄いですね。まあ開放値からシャープさを求める人にはあまりお気に召さないと思います。

ここからは開放値f2のMakro-planar T* 2/50 ZF.2も加えて比較していきましょう。
画像の上側がPlanar T* 1.4/50 ZF.2 で下側がMakro-planar T* 2/50 ZF.2になります。

planar T* 1.4/50 ZF.2 f2
planar T* 1.4/50 ZF.2 f2
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f2
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f2

f2での比較ですがマクロプラナーの端の方の口径食がかなり目立ちます。嘘やろって感じです。ただ露出の差はあるもののマクロプラナーの方が高コントラストで色乗りが良いのが見て取れます。

planar T* 1.4/50 ZF.2 f2.8
planar T* 1.4/50 ZF.2 f2.8
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f2.8
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f2.8

f2.8での比較ですが、プラナーの端の玉ボケをみてください。ほぼ円形です。これは素晴らしいですね。対してマクロプラナーはかなりの口径食が見受けられます。f2.8まで絞るとプラナーも描写にシャープさが出てきますね。ただ拡大して見てもらえばわかりますが、若干色のにじみがあります。

planar T* 1.4/50 ZF.2 f3.5
planar T* 1.4/50 ZF.2 f3.5
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f3.5
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f3.5

f3.5での評価です。ここまで絞ると背景のボケ味も気になる所です。ちなみにプラナーの方はシベにピントが合っていて、マクロプラナーは花弁にピントが合っています。それを差し引いてもプラナーの背景のボケが美しく見えます。玉ボケもマクロプラナーは端の口径食が改善されていません。

planar T* 1.4/50 ZF.2 f4
planar T* 1.4/50 ZF.2 f4
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f4
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f4

f4での評価です。ようやくマクロプラナーの端の口径食がなくなり、円形のボケになりました。ここまで来ると描写のシャープさでは大差が無いように思います。ただコントラストと色乗りの良さはマクロプラナーに分がありますね。

planar T* 1.4/50 ZF.2 f8
planar T* 1.4/50 ZF.2 f8
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f8
Makro-planar T* 2/50 ZF.2 f8

f8での評価です。ちなみに絞ればどんなレンズでもシャープに写るっていうのが持論なのですが、この2本のレンズでもそうですね。私レベルの目だと微差だと感じました。

ちなみにこちらは以前紹介したタムロン70-200mmf2.8の玉ボケ
DSC_6002

プラナーのf2.8で撮った写真と見比べてください。端の口径食の違いは明らかで、単焦点レンズ、というよりプラナーがどれだけ優秀かというのがわかります。


Planar T* 1.4/50 ZF.2で撮った写真
DSC_5197

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Makro-planar T* 2/50 ZF.2 で撮った写真
DSC_3155

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素人なりに比較して見ましたが、一般的に言われているプラナーがソフトフォーカスでマクロプラナーがシャープで高コントラストであるという評価は間違いないなと思いました。ただプラナーの玉ボケの美しさが非常に印象的でした。

この2本のレンズ、プラナーをはじめに買って、次にマクロプラナーを買ったのですが、マクロプラナーを買った理由は標準レンズでありながらハーフマクロで撮影出来るという点です。これはスナップ撮影ではかなりのアドバンテージがあり、写真表現の幅が広がります。しかし、今回2本のレンズを比べてみて、プラナーの玉ボケの美しさと味も再認識しました。惜しいのは興味のあるレンズがあったので、プラナーを下取りに出して、新しくレンズを購入したことです。これならプラナーを残して置いても良かったかなと思いました。

同じ焦点距離のレンズでもキャラクターがあるというのが分かって貰えたと思いますが、くれぐれもレンズ沼に落ちないように、みなさんは気をつけてください(^^ゞ

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

とても興味深い記事をご提供いただきありがとうございます。
焦点距離が同じマクロプラナーとプラナーの描写の違いがとてもよく分かりました。

匿名 さんのコメント...

とてもよい比較レビューですね。
参考になります。ありがとうございます。
プラナーとマクロプラナーで迷っていましたが、かなり描写が違うのですね。ソフトで柔らかい写りが好みなので、プラナーを買おうと思います。とても参考になりました。

匿名 さんのコメント...

とても良い比較だと思います。

ただし、いくつか補足させて頂くと、makro-planarの口径蝕が絞ってもあまり改善されないのは画面全域の解像力を重視したためです。玉ボケの比較でタムロンズームを掲載していますが、これは作例と距離感が違うため、参考にはなりません。引き気味の絵では割とどんなレンズでも口径蝕は目立つようになります。

二つのplanarはスペックこそ似ていますが、まるで性格付けの違うレンズなので、 ピントの掴みやすさにも触れてあげてください。それでは、口うるさく失礼しました。

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