Panasonic LUMIX LX100のレビュー第二回は画質チェック編になります。一週間ほど使ってみて良い所、悪い所もようやく見えて来ました。
このカメラは10.9-34mmの光学レンズ(35mm判換算24-75mm)を搭載している訳ですが、換算値は通常のマイクロフォーサーズが2倍に対してこのカメラは2.2倍。搭載しているセンサーはマイクロフォーサーズ規格の1684万画素なのに有効画素数は1280万画素であり。つまりイメージサークルがセンサーの全てをカバーしていません。マルチアスペクトを実現する為とメーカーは説明していますが、センサーをフルにカバーするイメージサークルにするとレンズが大きくなってコンパクトさがスポイルされるのでこういう形にしたというのが本音じゃないかなと思っています。確かにコンパクトには収まっていますが、サブ機のSONYのNEX-6と同等のサイズがあるので、これならもうちょっとレンズを大きくしてくれても良かったかなと思います。
まずは画角チェックから
ISO200 絞りはf1.7の絞り優先オートで撮影しています。f値は可変で50mmより望遠はf2.8が開放絞りになります。
LX100 24mm f1.7
LX100 28mm f2.1
LX100 35mm f2.3
LX100 50mm f2.7
LX100 70mm f2.8
LX100 75mm f2.8
ここまでが光学ズームの領域です。ステップズームという機能があるので、代表的な焦点距離をコントロールリングを回す事によって呼び出す事が出来ます。
ここからiAズームを選択するとさらに2倍までズームすることが出来ます。
iAズーム
超解像技術によって、画質の劣化を抑えつつ、元のズーム倍率の2倍までズーム倍率を上げることができます。 説明書より引用
個人的には24-75mmでスナップ写真は撮れるのですが、もう少し望遠が欲しい時もあります。そういった時にiAズームをONにしておけば、75-150mm(24-150mmを使用可能)までズーム出来るので重宝します。光学ズームに比べて画質劣化するのはしょうがないですが、画質は思っていたより良いです。超解像技術は伊達じゃない!!なのでiAズームは常にONにしています。
LX100 90mm f2.8
LX100 135mm f2.8
90mmと135mmがiAズームONで撮った写真です。クリックするとフォト蔵に飛ぶので拡大して見てください。画質のザラつきもほとんど無くて良いです。
ここからデジタルズームをONにするとさらに150-300mm(24-300mmを使用可能)までズームすることが出来ます。ただし、画質は相当劣化するので、トリミングと思った方が良いですね。
LX100 160mm f2.8
LX100 200mm f2.8
LX100 250mm f2.8
LX100 300mm f2.8
ブログサイズだとパッと見は使えそうに思いますが、クリックして元画像を見てもらうとザラザラの画質が確認出来ます。デジタルズームの領域までは自分は使わないですね。使うとしてもあくまで緊急用といった感じでしょうか。私はデジタルズームはOFFにしています。
LX100はフルサイズ一眼レフのボケ味に匹敵するのか?
メーカー ホームページより引用
私が持っているフルサイズセンサーを積んだカメラはD800です。それに取って代わるぐらいのボケの大きさがあれば、重たくて大きいカメラを持って外に出かけると辛さがなくなり、コンパクトなLX100だけを持って気軽に撮影に出かける事が出来ます。それに期待してLX100というカメラを私は購入したんです。なのでその検証をしないといけません。
まずはこちらの記事を御覧ください。センサーの大きさによるボケの大きさの違いについて書かれています。最高にわかりやすいです。
CRAPACA ボケを操る(被写界深度)
難しい話ですが、最初にレンズの換算値を書きましたが、これは被写界深度にも当てはまります。
LX100はf値1.7-2.8のレンズが付いている訳ですが、先ほどの記事の通りフルサイズセンサーに比べてボケは小さいです。レンズのf値をフルサイズ(35mm判)に換算するとLX100の場合は2.2倍になるので、およそ3.74-6.16の換算f値になります。これはフルサイズセンサーのカメラに一般的な標準レンズを付けたぐらいの数値です。自分の手持ちのカメラとレンズでいうと、D800(フルサイズセンサー)+28-300mmf3.5-5.6に近い数値です。なのでこの組み合わせとLX100のボケの大きさを比べて見れば、LX100というカメラが一眼レフに取って代わるものかわかるという訳です。
検証カメラは3台を使用しました
LX100 マイクロフォーサーズ規格センサー 換算値2.2倍
NEX-6+16-50mmf3.5-5.6 APS-C規格センサー 換算値1.5倍
D800+28-300mmf3.5-5.6 フルサイズセンサー 換算値1.0倍
検証方法
換算を含めて75mmの焦点距離を使用
同じ位置から撮影
Jpeg 絞り優先オート f値は開放値を使用
ピント位置はダンボー
①SONY NEX-6+16-50mm
ISO100 f.5.6 1/80 換算f値 8.4
②LX100
ISO200 f2.8 1/400 換算f値 6.16
③D800 28-300mmf3.5-5.6
ISO200 f5 1/200 可変f値ですが、75mmだとf5になりました。
いかかでしょう?ダンボーが立っているブランコを基準にして、手前のブランコと奥のブランコのボケの大きさを見てください。換算f値通りの結果という感じですね。
一番ボケが大きいのがD800で次にLX100、最後はNEX-6という感じです。
D800とLX100を比べてみると、ほんの少しD800の方が被写界深度が浅いです。実際にNikonの対向となるレンズは24-85mmf3.5-4.5になるので、それと勝負したらf値が4.5と勝負することになるので、もう少し分が悪かったと思います。しかし、LX100はコンパクトですし、メーカーのうたい文句通り一眼レフに取って代わるカメラと言って良いかもしれませんね。もちろんフルサイズ一眼レフ機にf1.4程度の単焦点レンズを付けて勝負したらボケの大きさは勝ち目は無いのですがね。この辺りは何を選択するかということですよね。とりあえずはしっかりした撮影をする為にD800とレンズ群は処分することはないです。
ISO感度のノイズ&ディテールチェック
次はどれくらいまで高感度が使えるかチェックしたいと思います。絞りはf8で固定。絞り優先オートで撮影。ピント位置は桜ミクの瞳にピントを合わせています。
LX100 ISO100
LX100 ISO200
LX100 ISO400
LX100 ISO800
LX100 ISO1600
LX100 ISO3200
LX100 ISO6400
LX100 ISO12800
LX100 ISO25600
各感度を一枚にまとめてみました。どうでしょう?みなさんはどの感度まで許容出来ますか?
ちなみにISO100、ISO12800、ISO25600が拡張感度になります。
個人的に許容出来る感度の上限はISO1600です。しかし、私はLX100をスナップカメラと位置づけているので、ノイズがどうとか考えるより撮れないよりはマシなので、カメラのISO感度上限を6400に設定しています。ちなみに別途シャッタースピード上限などは設定出来ません。
このカメラを夕方から夜にかけて使っている時に、ISOオートのコントロールに疑問を感じました。
ISO感度上限を6400に設定していても、感度1600から上に感度を上げる事をしないで、シャッタースピードを低速で切る傾向があります。Flickrの方にLX100で撮った写真を上げていますので、確認してみてください。https://www.flickr.com/photos/kiyoyuna/sets/72157649205931056/
開放f値でISO1600 シャッタースピード1/13の写真が沢山あります。これだけ低速でシャッターを切っても手振れはしなかったので、手ぶれ補正は優秀です。しかしISO1600以上にあまり上がる事がほんとに無いので、メーカーとしてはISO1600ぐらいまでの画質までしか保証出来ないから、そういうコントロールをしているのかなと思います。もうちょっと感度が上がってシャッタースピードが上がる設定でも良いかなと思います。
モアレ&偽色&ノイズ?画像エンジンのコントロールに疑問が...
この写真を御覧ください
プログラムオート オートホワイトバランス ISOオート ピクチャースタンダード JPEG
素材は違いますがどれも見た目は黒色です。まず左端ですが。カメラバックのボトルケースです。縫い目で素材は別れていますが、すべて見た目は黒です。しかしマークが入っている所以外の色が紫っぽく描写されています。続いて真ん中です。紫色のまだらなノイズが発生しています。続いて右端です。袖の部分なんですが、黒色が紫色に転色している部分に覆われています。
灯籠イベントで撮った一枚

空の色を見てください。日が落ちてどんどん夜に向かっている時間帯の写真ですが、空の彩度がやけに強調されています。こんな気持ち悪い色ではなくて、実際は薄い青だったのですが...
カメラ知識が浅いので何が原因かわかりません。今までD800やNEX-6などはRAWで撮ってLightroomで現像していたので気に入らない発色だったら、ある程度は自分で調整していたのですが、LX100はスナップカメラとして使っていこうと思っています。基本的にJPEGで撮影したいのですが、こういう画質のコントロールだと考えないと行けませんね。
ゴーストは結構派手に出る感じ

背景のボケは綺麗です

画質チェック編総括
初めてLX100を使った時は使いづらいと感じました。しかし、設定をいじって行くうちにある程度の使いやすさは出てきました。ただやはり操作系は不満が残ります。なぜタッチパネルを採用しなかったのか、タッチシャッターやフォーカスポイントの移動などかなり操作系が改善されたと思います。あとチルト液晶じゃないのもマイナスですね。
画質面に関してはフルサイズ一眼レフ機と標準レンズの組み合わせに匹敵するボケ味があるので満足です。しかし画像エンジンのコントロールに疑問を感じますので、ファームアップデートで改善するなら嬉しいですね。
今日はLX100の売りの一つである4K動画をお寺で撮影していたのですが、階段の昇り降りなど、軽量コンパクトさにずいぶん助けられました。その辺りはすごくアドバンテージがあります。
次回はお待ちかねの4K動画のレビューをしたいと思いますので、また期待せずにお待ちください。ほな、また!!
新品価格
¥99,999から (2014/11/20 23:22時点) |
新品価格
¥3,670から (2014/11/20 23:22時点) |
新品価格
¥5,436から (2014/11/26 22:10時点) |
2 件のコメント:
少し古いポストかもしれませんが多くが参考になりました。
しかし色の認識は基本に立ち返る必要があると思います。
他ブログを見ても派手な発色となるようですが、
黒色衣料品の写真での色分けは全く問題ないはずです。
化繊と染色材料の違いが正確に出ています。
その証拠に一番奥のカバンのような化繊品は真っ黒です。
実際の黒く写らなかった物を日中太陽光の元で確認してみてください。
匿名さんコメントありがとうございます!
ご指摘の件ですが、色の認識についてもう一度勉強したいと思います。
ご指導ありがとうございました。
コメントを投稿